2022年01月28日

扁平上皮癌・猫・肛門・便秘・排便障害

しんごちゃんは以前からうんちが出にくく便秘気味と言うことで病院に来てもらってます。

その度、手にて排便を行って行きました。

確かにうんちが固めで出にくい事は出にくいのですが、

数年前から肛門の右下の部分に2センチ位のしこりがあるのでそれによる影響ではないかとも考えられており、

14歳と高齢だったので、うんちが出る限りは様子見をしていたのですが、どんどんうんちが出にくくなっており、

肛門全体も硬くなるような所見が認められてきたので、状況の改善のために手術することとなりました。

手術の方法としては、肛門の全てを摘出して、直腸を肛門の出口の代わりとする治療となりました。

肛門括約筋を全て摘出する形になるので、排便のコントロールは困難になってきますが、それでもうんちが出ないよりかは生活の質は上がってくると決断となりました。

肛門の周囲を切開し、肛門をある程度引き出した後に、

肛門腹側にある動脈を結紮し、出血のコントロールを行った後に肛門をさらに引き出し切除を行いました。

その後に、肛門の直腸の部分を肛門周囲の皮膚に縫合し、徹底的に消毒を行った後に塗り薬を行い、手術を終了としました。

肛門の部分に傷跡があることも含めて、便からの感染のリスクが非常に高いので、2 〜3日はうんちが出ないようにするため、肛門のほうに綿花で栓をしました。

また、感染の予防も含めて、塗り薬を12回傷口の周囲に塗りながら消毒も行ってきました。

体調の方が問題ないので無事に退院し、家でも消毒と塗り薬を行ってもらうこととなりました。

2週間後に傷口も問題なかったので抜糸することに、

うんちも自然に出ていることも含めて問題ないと判断しました。

しこりが年単位で肛門の部分にあって、あまり大きさも変わってないと言うこともあったので、良性のしこりだと思っていたが、検査結果に出すと、扁平上皮癌と言うことがわかりました。

扁平上皮癌は癌の中でも悪い方の部類に入り、悪性度の高いものです。

肛門全体が硬くなっていったのはその癌の進行だと予想されます。

なので、症状がひどくなったり、転移する前に摘出できたのは幸いだったのですが、場合によっては今後再発したり、転移が見つかる可能性も考えられます。

なので今後も経過観察が必要となってくるなります。

手術が無事に終わってまずは良かったと思います。

しんごちゃん、よく頑張ってくれました。