ミーアキャットの去勢手術と肛門線切除の依頼がありました。
発情行動の抑制のための去勢手術と、マーキングによる肛門線の分泌物の付着を防ぐために上記の手術を行います。
ミーアキャットは肛門線の分泌物をマーキングのためにいろんなとこに付着させることがあるので、それによる匂いがあまり人間からすると好ましくない匂いをしています。
そのためこういった去勢手術の際に同時に肛門線の切除を行う事があります。
ミーアキャットのキュー君は元気いっぱいの生後10ヵ月の男の子です。
注射麻酔とガス麻酔を使って鎮静を行ってきました。
その後、挿管チューブ3を使いながら人工呼吸器に切り替えてきました。
去勢手術は犬と同様に行っていきながら、睾丸は縫合せず,接着剤で止めていきました。
その後,肛門線の切除のほうに移行していきました。
肛門線は肛門の4時8時方向に位置しているので、そこの部分を縦に切開していきながら肛門線を引っ張り出してきました。
肛門線の周囲は支持組織や脂肪組織に癒着しているのでそれをなるべく傷つけないように剥離していきながら取り出していきました。
その後縫合糸で縫っていき、その傷を舐めないようにするため、首の輪っかをつけていきました。
キュー君はかなりやんちゃな性格ということがわかっていたので、かなり頑丈につけていきました。
帰るときには元気に暴れまわっており、首の輪っかが嫌みたいでした。
帰ってから少し軟便が認められましたが、大きな体調の変化はなく食欲元気も問題なかったので大体2週間後位に抜糸することとなりました。
ミーアキャットも最近人気が出てきている動物の種類で、なりやすい病気の偏りなどもはっきり解明されていなかったり、教科書が出てきているわけでは無いですがどんどん勉強していかないといけないなと改めて思う動物です。
今回行ったミーアキャットの麻酔に関して下に記述しておきます。
他の獣医師さんの参考になればと思います。
メデトミジン0.1mg/kg
アルファキサン1mg/kg
ブトルファノール0.4mg/kg
イソフルラン3前後 人工呼吸の呼吸数8 吸気圧6