2021年11月21日

モルモット・乳腺腫瘍・オス

モルモットのモルちゃんです。

お腹から出血したとのことで病院に来院されました。

年齢は2歳8ヶ月です。

お腹を確認してみました。

 

左側の乳腺の部分が大きく腫れているのがわかります。

この時,病理検査は行いませんでしたが,乳腺腫瘍と判断しました。

しかし,モルちゃんは男の子です。

実はモルモットは男の子の乳腺腫瘍が他の動物に比べて圧倒的に多い種類なのです。

なので,相談していき,今後の生活で出血が出るのも問題があるので,どちらにしても切除をした方がいいと判断。

後日,手術を行うこととなりました。

鎮静を行い,麻酔を行っていきました。

【参考;モルモットは痛みに敏感なので,OPE2時間前にメロキシカム0.2mg/kg SCと皮下点滴を行い,前投薬メデトミジン0.25mg/kg・ミダゾラム0.5mg/kg,その後ケタミン5mg/kgとブトルファノール0.4mg/kgとイソフルラン3〜2.5で維持していきました。局部にはキシロカイン使用】

 

悪性腫瘍の可能性が十分考えられるので大きくマージン(切除範囲)を確保していきながら乳腺全体を切っていきました。

麻酔は安定しており痛みのリアクションも少なかったため,手術自体は特に問題なく終わりました。

大きくマージンを取ったため肌と肌がかなりつっぱった感じになりました。

覚醒して,自立できるまで大体2時間ぐらいかかりましたが,十分動けるようになった上で帰ることができました。

食欲元気の低下が心配でしたが、帰ってからも食欲はある程度安定しており安定した量を食べてくれてるとのことで安心しました。

縫っていた部分を抜糸したのがこちらです。

皮膚のつっぱりが最もきつい部分が少し治りが悪かったようです。しかし、皮膚の内側の部分はしっかり粘膜が張ってきており、感染の予兆もないので軟膏を塗ってもらいながら肌の再生を待ちました。

肌がしっかり再生してくるようであれば特に病院に来る必要は無いとお伝えしたので、写真はここまでですが。、後日オーナーさんに連絡したところ傷のほうもしっかり治って元気にしてくれているとのことです。

モルモットは乳腺腫瘍も含めて特殊な病気が他の動物に比べて多いように感じます。今後もたくさん勉強していかないといけない分野であると改めて感じました。

モルちゃん元気になって良かったですね。